同じ土地でも相続が発生した年によって相続税は変わる?

岡山の相続税専門税理士の風早です。

 

一般の方には意外と知られていないことですが、同じ財産をもっていても相続税額は相続が発生した年によってかわります。本コラムでは、具体例を交えて説明します。

 

 

なぜ相続が発生した年によって相続税が変わるのか

相続税は、相続が発生した日の財産の価額に応じて課税されます。例えば、上場株式であれば、株価は一定でなく、常に変動しています。相続財産に上場株式がある場合は、相続発生した日の時価をもとに、財産の価額を算出します。

 

一方、土地は実際に売却しているわけではないので、上場株式のように簡単に財産価額を計算することができません。そのため、国税庁の定めた計算式によって土地や非上場株式の相続税評価額を税理士が一つひとつ計算します。

 

このように、相続する財産の評価額を計算することを「財産評価」といいます。財産評価によって相続税計算上の時価を計算するため、同じ財産でも相続が発生した年によって評価額がかわります。

 

 

土地の財産評価の方法について

土地の財産評価の方法に、「路線価方式」があります。路線価方式は、いわゆる住宅地域や商業地域にある土地について用いられることが多いです。宅地が一般的な市街地にある場合は、路線価方式が適用されることになります。

 

路線価は国税庁のホームページ (http://www.rosenka.nta.go.jp/)から調べることができます。国税庁ホームページから、調べたい土地を探していくと、下記のような図が出てきます。

 

 

上記路線価図の「1260D」と書いてある場合、この道路に面している土地は、1㎡あたり126万円という意味になります。路線価は千円単位なので、1260千円は、126万円になります。数字の後のDというアルファベットは、評価しようとする土地が貸家などの敷地である場合に使用します。

 

次に、土地の面積を調べます。土地の面積は、固定資産税の納税通知書や登記簿謄本に記載されています。最新の地積測量図がある場合には、測量図の面積を利用します。土地の面積がわかったら、先ほどの路線価を掛け算すれば、土地の評価額が計算できます。

 

例えば土地の面積が300㎡で、路線価が126万円だった場合、以下のような計算式になります。

 

  • 平成30年の路線価を適用した場合

面積300㎡ × 路線価126万円 = 3億7800万円

 

ただし、形が悪い、間口が狭い、がけ地であるなど、使い勝手の悪い土地と、使い勝手の良い土地の評価額は異なるので、一定の補正率をかけて減額の調整を行います。同じ広さの土地であっても、使い勝手しだいで相続税評価額が下がる可能性があります。

 

 

評価する年によって土地の評価額は大きく変わることも

「路線価」は毎年7月初旬頃にその年の路線価が国税庁により発表されます。路線価は、市場の状況を評価額に反映するため、常に一定というわけではなく、評価する年によって変動があります。

 

例えば、左下の路線価図は同じ場所の平成25年のものです。同じ場所でも、平成25年の路線価は90万円となっており、1㎡当たりの価額が異なることがわかります。

 

1平方メートル当たり36万円アップ

 

岡山駅前の1㎡当たりの路線価は、平成25年と比較して、平成30年は36万円アップしています。

この場合、土地の面積が同様に300㎡であるとすると

 

  • 平成25年の路線価を適用した場合

面積300㎡ × 路線価90万円 = 2億7000万円

 

平成30年が3億7800万円ですので、土地全体の評価額が1億800万円アップしたということになります。

 

まとめ

相続対策は一度しておけばずっと完璧というわけではありません。相続対策をした後に財産の評価額が大きく上がってしまうと、予定していた納税資金では足りないということもありえます。定期的に財産評価を行うことによって、適切な相続対策が可能となります。

また土地評価は専門家によっても見解がわかれることがあります。相続税申告の経験が少ない税理士では適切な減額補正がされず、土地評価額が高いままということもあります。土地評価は相続専門の税理士にご相談ください。

 

この記事の執筆者

風早 昭徳

大手税理士事務所で相続・事業承継の経験を積んだ後に独立。風早税理士事務所の代表税理士。

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風早税理士事務所 代表税理士 風早 昭徳

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