相続が開始したら遺言書を探しましょう

相続税コラム

岡山の相続専門税理士の風早です。

本コラムでは、相続が開始したらまず確認するべき、「遺言書」について解説します。

「遺言書」とは、被相続人が遺産の分け方(遺産分割)などに関して自らの意思を文書に記したものです。そのため、民法で定められた法定相続分よりも優先されます。遺産分割の話し合い(遺産分割協議)や遺産の名義変更などの相続手続きにおいて重要な書類であるため、相続開始後はまずは遺言書の有無の確認をすることが大切です。

遺言書はどこにある?

被相続人が生きているうちに遺言書の有無や保管場所を確認できていればよいですが、確認出来ていない場合は、探す必要があります。公証役場以外にある自筆証書遺言の場合は、自宅だけでなく銀行の貸金庫、信託銀行、信託会社なども探してみましょう。信託銀行や信託会社などに遺言書を預けている場合、定期的に通知が届きます。通知書が届いていないか確認をしましょう。

自宅(タンスや本と本の間、仏壇などに隠されていることも。故人の性格を想像して探してみましょう)、貸金庫、公正役場、信託銀行、信託会社

遺言書にはどのような種類があるの?

遺言書の代表的なものに、「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」があります。主な違いは以下の表をご覧ください。

自筆証書遺言 公正証書遺言
作成方法

本人が遺言の全文、日付、氏名等を
自筆で書き、
押印。
書面ではなく録音は不可。

本人が口述し、公証人が書く。
実印、印鑑証明書、身元証明書、
相続人等の戸籍謄本、登記簿謄本等が必要。

場所 問わない 公証役場
証人 不要 2人以上
家庭裁判所の
検認
必要 不要
メリット

・いつでも書ける

・費用がかからない

・秘密が守られる

・原本が公証役場に保管されるため、
紛失や改ざんのおそれがない

・無効になりにくい

・検認手続きが不要

デメリット

・紛失や改ざんのおそれがある

・不備があると、無効になったり争いの
もとになることがある

・検認手続きが必要

・作成手続きが煩雑

・作成時に費用がかかる

・証人が必要

遺言書の作成にはルールがあります。作成方法や要件を満たしていないと、せっかく遺言書を作成してもその効力が無効になるケースもあります。遺言書を遺す際は、作成ルールを守ることが大切です。

遺言書は、ルールを守って作成しましょう!

遺言書が見つかったらどうしたらいいの?

遺言書が見つかっても、遺言書に封がされている場合はすぐに開封してはいけません。自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所の検認を受ける必要があるので、あわてて開封しないように注意しましょう。検認は、遺産の分割をめぐって、相続人による偽造や改ざんを防ぐための手続きです。検認のときには、家庭裁判所で相続人や代理人立会いのもと、遺言書を開封します。

一方、公正証書遺言は正式な手続きにより作成された公的な書類です。そのため、公正証書遺言が見つかった場合は、家庭裁判所の検認は不要です。

遺言書がない場合はどうなるの?

遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行います。協議の結果、相続人全員が合意のもと遺産分割協議書を作成すれば遺産分割協議は完了です。遺産分割協議書をもとに、預金や株式などの金融資産の解約や不動産登記の名義変更を行います。

まとめ

遺産の分割について相続人間で意見がまとまらない場合、遺産分割協議が長期化することもありえます。遺言書を作成することによって、相続人が困らないように事前の準備をしておきましょう。遺言書はルールに沿って作成しないと無効になってしまうこともあります。

また相続税申告が必要となる場合、遺産分割案によって相続税額が異なる場合もあります。遺言書作成にあたっては事前に相続税額も検討が必要となります。遺言書作成にあたっては、相続専門の税理士への相談をおすすめします。

この記事の執筆者

風早 昭徳

大手税理士事務所で相続・事業承継の経験を積んだ後に独立。風早税理士事務所の代表税理士。

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風早税理士事務所 代表税理士 風早 昭徳

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