相続が開始した後の手続きは何をすればよい?

相続税コラム

岡山の相続専門税理士の風早です。

 

相続が開始した後に相続人は、通夜・葬儀だけでなく、役所への届出、生命保険金の請求など色々な手続きをしなければなりません。本コラムでは、相続後にどのような手続きが必要となるのかを解説します。

 

相続開始後に必要な手続き

死亡診断書を受け取る

病院で死亡診断書をもらいます。死亡診断書には、死亡の事実、日時、場所のほか、死因となった病気などが記載されています。死亡診断書は市役所の他、社会保険事務所や生命保険会社にも提出します。死亡診断書の原本は提出する前にコピーをとっておきましょう。

 

 

通夜・葬儀・四十九日などの儀式を行う

相続税申告が必要となる場合、葬式費用は、相続財産から控除することができます。葬儀費用の領収証を保管しておきましょう。領収書がない場合は明細書を作成しておくとよいでしょう。

相続税の計算上、すべての葬儀費用が控除できるわけではありません。

 

【葬式費用として控除できる費用】

  • お通夜、告別式にかかった費用
  • 火葬、埋葬、納骨費用
  • お寺、僧侶に支払うお礼など

 

 

 

【葬式費用として控除できない費用】

  • 香典返しにかかった費用
  • 墓石や墓地の購入費用
  • 仏具
  • 初七日などの法要にかかる費用

 

 

 

死亡届出を提出する

死亡を知った日から7日以内に、市区町村の役場へ死亡届出を提出する必要があります。届出のときに必要なものは、死亡診断書、届出人の印鑑です。死亡届受理後、戸籍に死亡の事実が反映されます。不動産の相続手続きや、金融機関の口座の名義変更、解約などには死亡の事実反映後の住民票が必要です。なお、死亡届出の提出とともに死体埋火葬許可申請書を提出し、火葬(埋葬)許可証を受領しましょう。

 

 

生命保険金の請求

生命保険金の請求にあたって、死亡保険金請求書に必要事項を記載のうえ、生命保険証書、死亡診断書、戸籍謄本などの必要書類を添付して提出します。添付資料などは各社によって取り扱いがことなるため、各社ホームページなどを確認しましょう。なお生命保険証書は戻ってこない場合もあるため、証書のコピーを手元に残しておくようにしましょう。

 

 

公共料金などの名義変更を行う

故人が電気・ガス・水道などの契約者であった場合、名義変更または使用中止の手続きが必要です。

 

名義変更の場合、公共料金の支払いが故人名義の口座振替になっていないか確認しましょう。故人の銀行口座が凍結されてしまった場合、その時点から引き落としができなくなってしまいます。また、後で相続でもめた際、故人の口座から勝手に引き落としていたことが問題になるおそれもあります。

いずれの手続きも、担当窓口への電話やインターネットから手続きができます。手続きはお住まいの地域や管轄している会社により異なります。期限のある手続きではありませんが、なるべくすみやかに行いましょう。

 

 

社会保険事務所などへ届出を行う

健康保険や年金など、社会保険の手続きは14日以内に行いましょう。

 

健康保険の場合、市区町村の役場または故人の勤務先に資格喪失届出、被保険者証、死亡の事実が分かる資料を提出します。サラリーマンの夫の扶養となっている妻などは、夫が死亡して被保険者の権利を喪失すると、自分で国民健康保険に加入するか、被用者保険に加入する必要があります。

 

国民年金の場合は市町村役場の年金課や年金事務所、厚生年金の場合は故人の勤務先に報告のうえ、手続きを行います。必要書類は、役所の所定の資格喪失届出、年金受給権者死亡届(報告書)、年金手帳、死亡の事実が分かる資料などです。

 

健康保険と同様、サラリーマンの妻などが、夫の扶養配偶者として国民年金の3号被保険者となり、年金保険料の納付を免れていた場合には、国民年金の被保険者の種別が第3号被保険者から第1号被保険者へと変わるため、14日以内に、市町村に対して変更届出を行う必要があります。

 

 

遺言書を確認する

公正証書遺言の有無は、公証役場で確認できますが、自筆証書遺言は自分で探す必要があります。自筆証書遺言があった場合、家庭裁判所で検認を受けてから開封しなければならないため、すぐに開封しないように注意しましょう。

 

 

相続人を確認する

遺産を受け取る権利がある相続人を確認します。故人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を取得し、相続人になることができる「法定相続人」の範囲と順位を確認します。故人に離婚歴がある場合、再婚をして連れ子がいる場合、内縁者の子どもがいる場合、親子などの身寄りがない場合などは注意が必要です。

 

 

相続財産を調査する

被相続人の相続財産について、どんな財産がいくらあるのかを明らかにします。預金については通帳・キャッシュカード、不動産については固定資産税の評価明細書、有価証券については各金融機関からの通知書など、生命保険については生命保険証書を確認しましょう。

 

相続人で遺産分割について話し合う

遺言書がある場合は、遺言書の内容によって相続することが可能となります。

遺言書がない場合又は遺言書の内容に納得がいかない相続人がいる場合は、相続人全員で誰がどの遺産を取得するか、遺産分割協議をおこないます。協議の結果、相続人全員が同意し、「遺産分割協議書」を作成すれば完了となります。

 

 

相続財産の名義を変更する

遺言書または遺産分割協議書に基づいて、不動産の相続登記、有価証券、預貯金などの名義変更を行います。不動産については法務局、有価証券については証券会社など、預貯金については銀行などに必要な手続きを行い、相続財産の名義変更を行います。

 

 

所得税を申告・納税する

生前に個人事業として所得税の申告を行っていた場合は、被相続人の死亡から4か月以内に、故人の所得について準確定申告書を提出します。取引先への連絡や事業用財産などの名義変更などの手続きが必要となります。

 

 

相続税を申告・納税する

相続財産が基礎控除を超えるなど相続税の申告が必要な場合には、故人の死亡から10か月以内に、相続税申告書を提出します。納税は、原則として現金での一括納付となるので、現金以外での相続財産が多い場合は、相続税の納税資金に注意が必要です。また、相続税の支払いがない場合でも申告が必要なケースもあります。

 

 

まとめ

相続開始後は多くの手続きがあり、時間も手間もかかります。相続開始後では、相続人がどこに必要な資料があるかわからないということも。生前から必要な資料をファイルにまとめておくなど、必要な資料を整理しておくとよいでしょう。当事務所では、相続税申告、相続対策のサポートをさせていただく際に、相続の手続きについてもご相談を受け付けております。相続の悩みごとはお気軽にご相談ください。

 

この記事の執筆者

風早 昭徳

大手税理士事務所で相続・事業承継の経験を積んだ後に独立。風早税理士事務所の代表税理士。

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風早税理士事務所 代表税理士 風早 昭徳

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