生前贈与の非課税枠を活用して上手な節税を検討しましょう!

岡山の相続税専門税理士の風早です。

 

相続税の節税方法の一つに生前贈与の活用があります。しかし、生前贈与の活用方法を間違えるとかえって税負担が多くなってしまうこともあります。本コラムでは、生前贈与の上手な活用方法を解説します。

 

相続財産を贈与によって減らすことで、相続税の節税ができる

「相続税の節税対策の一つとして、生前贈与が有効である」という話を聞いたことのある方も多いかと思います。相続税は累進税率で計算します。相続財産が多いほど相続税額は多額となり、相続財産が少ないほど相続税額は少額となります。相続財産を生前に贈与すれば、相続財産が減少して、相続税の節税が可能になります。

 

 

 

生前贈与を行うと贈与税がかかる

生前贈与を行うと相続税の節税が可能となる一方で、贈与により負担が生じる費用についても注意が必要です。贈与する財産の金額によっては、贈与税の負担が生じます。贈与税も累進税率で計算します。贈与財産が多いほど贈与税が高額となります。相続税と贈与税の税率は以下のとおりです。

 

 

相続税も贈与税も、税率は10%~55%までの累進税率となっています。ただし、適用する税率が同じでも対象となる財産の額が異なります。例えば、贈与税率が30%となるのは600万円以下の部分ですが、相続税率が30%となるのは1億円以下の部分となります。相続税の節税のつもりでも、贈与する金額に注意しなければ、かえって贈与税額の負担が多くなる場合があります。

 

また、贈与する際には、贈与税以外の費用についても検討する必要があります。例えば、不動産の贈与を検討している場合、不動産の贈与によって、不動産登記や不動産取得税などの費用負担も必要となります。

 

 

贈与税がかからない非課税枠がある

生前贈与をすると必ず贈与税がかかるということではありません。年間110万円の贈与までは、贈与税の基礎控除として贈与税がかかりません。

 

贈与税の計算方法

贈与税は次のような方法で計算します。

 

  • 贈与金額-基礎控除=課税価格
  • 課税価格×贈与税率=贈与税額

 

例えば、1000万円を贈与した場合であれば

 

  • 1000万円-110万円=890万円
  • 890万円×40%-125万円=231万円

 

納税が必要となる贈与税額は231万円となります。

贈与税は基礎控除110万円を控除したあとの課税価格に対して、税率を乗じて計算します。基礎控除110万円については贈与税がかからない非課税枠となります。

 

また贈与税の計算には、基礎控除以外にも非課税となる特例制度があります。例えば、相続時精算課税制度を活用すると、2500万円まで贈与税が非課税となります。贈与税の特例制度の概要を一覧でまとめると以下のとおりです。

 

  非課税枠 適用要件 手続き 留意点
相続時
精算課税

2500万円

・親族要件

・年齢要件

適用届出を添付書類と
ともに税務署へ提出

贈与財産を相続財産へ
持ち戻し計算が必要

教育資金贈与

1500万円

・利用目的要件

・年齢要件

金融機関で
教育資金贈与
信託契約が必要

受贈者が30歳に
なった場合の
残高に贈与税課税

結婚子育て
資金贈与

500万円

・利用目的要件

・年齢要件

金融機関で
結婚資金贈与
信託契約が必要

受贈者が50歳に
なった場合の
残高に贈与税課税

住宅資金贈与

1000万円

・利用目的要件

適用届出を
添付書類とともに
税務署へ提出

 

贈与税の特例制度を活用する際には、以下のような点に注意が必要です。

 

  • 適用要件を満たしているか
  • 手続きを行うことが可能であるか
  • 相続税への影響はどうなるか

 

贈与税の特例制度を活用する際には、事前の検討が必要です。

 

 

まとめ

生前贈与を検討するにあたっては、贈与によって相続税がいくら節税できるのかだけでなく、贈与することによりいくら費用が生じるのかも事前に検討しておく必要があります。また、生前贈与の特例制度を活用する場合、相続税への影響もかわってきます。贈与税のどの制度を活用することが、相続を見すえて最適かは財産額や状況に応じて異なります。生前贈与を行う際には事前に相続専門の税理士にご相談ください。

 

この記事の執筆者

風早 昭徳

大手税理士事務所で相続・事業承継の経験を積んだ後に独立。風早税理士事務所の代表税理士。

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風早税理士事務所 代表税理士 風早 昭徳

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